もうじき高校受験

早いもので、うちの子供も高校受験。

でも、うちの子供の成績は、あいもかわらず低空飛行。

先日の模試に向けては多少勉強したようで、偏差値38をとって、ちょっと成績があがったよ!と本人は喜んでいた。5教科合計120点くらいらしい。

そのくらいのレベルでの低空飛行。

学力不振の原因は、やる気がないとか、悩みがあって集中できないとか、そういう問題ではなく、多分勉強向きの個性じゃないんだろうなと親としては思ってる。

生活全般を見ていても、ちょっと考えたら予め防げそうな失敗を繰り返している。忘れ物、ケガ、失くし物、キズ、失くし物、忘れ物、ケガ。何度痛い目を見ても同じ失敗を繰り返し続けている。

頭を使うのがきっと苦手なんだろうし、そういう理由で勉強も身につかずにいる。

授業もお客さん状態なのに、そんな状態でよくもまあ、一日中勉強ばかりやらされる学校に嫌がりもせずせっせと毎日通っているものだと、実はわが子ながら深く感心している。

その点を不思議に思って、聞いたことがある。学校に行けば友達もいるし、勉強は嫌だけれども先生の話は楽しい。と本人は言うのである。なるほど、授業中、ほかの子は勉強している中でこの子は、「先生の話」を聞いているのか。肝心な勉強内容は右から左にするーっと聞き流してるわけか、と、なんとなく納得がいった。

「人が大好き」といつも言っているし、確かに大勢人が集まる学校というところは、この子にとって楽しいところなんだろう。

私自身は、中学時代はテストとなれば、5教科だったら500点。9教科だったら900点とろうとして、たいてい惜しくも取りそこねていた方だったので、子供の低空飛行っぷりに最初は驚き、この世にこんな偏差値が存在していたのかと衝撃を受け、こんな状態で行ける高校があるのかと不安になっていた。でも3年になって模試を受けたり、学校見学に行ったりするようになると、こんな低空飛行っぷりなのに、それでも、なんとか入れそうな高校はあるようで、幸いなことに家からそう遠くもない学校もあるし、なんとか高校生活は経験できそうな目途が立ち、子供の進路についての不安は最近になって、ほぼ払拭された。

本当に、学校見学には行ってみてよかった。

「大丈夫。どこかしら行けるところはある」と先輩ママたちが笑っていった通りだった。どんなに大丈夫と言われても私は不安だったのだけれども、もっと率直に、「素行が悪くなければ、お金さえ払えば入れる私立がいくつかあるのよ~」と教えられていたらもうすこし安心できたかもしれない。

本音を言うと、うちの子は勉強向きではないものの、美術や技術の成績はなかなかいい方なので、そういう方面に力をいれている学校を勧めたいという気持ちがある。「先生の話」を聞いてぼんやりと過すよりも、自分の手を自分の意志で動かして、どうしよう、こうしよう、どうすればうまくいくのだろうと試行錯誤したり工夫したりして過ごす方がよっぽど本人の成長には刺激になるんじゃないの?と。

脳みそに刺激と負荷を与えて、より能力を高めたらいいんじゃないのかという考え。迷いがあるのはこの一点。

ただ、なんとなく、自分の今までの生きてきた軌跡を振り返ると、人間というものは、本当に成長しなければならないときがきたら、その人が出会うべき何かしらに必ず行合うものなんじゃないかという実感が私にはある。だから、あらかじめ頭や理屈をこねくり回して、「予定」とか「計画」とかたてて、物事を自分の思う通りにしようとさかしら心を起こしても仕方ないんじゃないかという実感。

流れに任せればいい。なるようになる。

そういう実感がある。そしてそれは正しいという感覚がある。

迷うならば、迷いつつも、正しいことに従えばよい。

作品作り的なことが必要になったら、本人がやりたい、やりたいと言い出すだろうし、言い出さない限りはこちらから勧める必要はない。

受験も、もう余計なことを言わず、本人の流れに任せてやるのがいいという心境に至った。

超低空飛行ながらも、自分が操縦桿を握っているという自覚が出てきたようなので、高校受験の受験生としては申し分ない。自分の高度も自分で把握できるようになったようだし。

私が母親としてできることは、健康面をサポートすることや、家庭内に安心感を醸し出すことかと思う。

ようは、家に帰るとのんびりくつろいでるお母さんになったらいい。

仕事があり、介護がありするので、なかなかくつろいでもいられないのだけれども、これからはできるだけ家でのんびりするようにしよう。

家事は後回しにして、くつろぐことにしようと思う。

子供のために。