まみれさん

最近、まみれさんにはまっている。
冷蔵庫の野菜室に常備して、朝に夕に、一枚また一枚と食べている。
あまり食べると、お腹いっぱいになってしまうので極力セーブしている。
私は、まみれさんは私のものだという意識でおり、家族には、私が、好意で少し譲って食べさせてあげているのだというスタンスでいる。
なのに子供は、ちょっと食べさせてやったら、何故か自分には生まれながらのまみれ権があるのだと思い込み、
お母さん、まみれさん一人で全部食べ尽くさないでね!
なんて言ってくる。
何を言う。
野菜室のまみれは、ぜーんぶ私のものなのだ。私には誰にも告げずにまみれつくす権利があるのだ。
子供だから何でも許されると思ったら大間違いなんである。
とはいえ、いつまでもまみれていても仕方がないので、そろそろ野菜室に常備するのはやめようかなぁと思ったのに今日も買ってきてしまった。
よし、これを最後の一袋にするぞ!と、禁煙を決意する人みたいなことを思ってる。
子供にも、もうまみれは終わりとちゃんと話しておかないと、生まれながらのまみれ権を親の勝手で侵害されたと勘違いして責め立ててくるかもしれない。
思春期は本当に面倒くさい。
言いがかりと難癖に付き合うのは疲れる。
早く大人になって、独立して、一人で勝手にまみれたりまみれなかったりして欲しいなぁ。
でもその後は、義母の介護が始まる気がする。
義母はきっと、人のまみれを我が物のように扱ったりはしないだろうけれども、
またまみれてるの?まみれ過ぎじゃない?体に悪いし、もうやめなさい。
くらいのお小言は言ってくると思う。
どこまで行ってもなかなか自由が手に入らない。
いつかたくさんの小動物に囲まれて、誰の干渉も受けずにチョコまみれしたい。
それが今の私の夢。