お盆。風習。

今週のお題が乗り物で、今がお盆。

ナスやきゅうりの話をしてほしいのかしら。

私の実家では、迎え盆の翌日夜明け前に墓参りに行きます。
これは一家で1人行けばいい。
墓場で留守番していて、家に帰れない祖先がいるから、御参りにいかねばならないのだ、と聞きました。
何だか死んだ人たちの間で、留守番当番を回してるんだと。
何となく、この説明は母の創作のような気もします。
どうなんだろう?
実家にいた頃、よくこの早朝の御参りに連れて行かれました。お墓に行くと近所の人が暗い中ゾロゾロ御参りに来ていました。家に着く頃に朝日が昇る。その頃、明け方は涼しかったです。

お盆で聞かされた話はもう一つ。死んだ人は毎年、虫や動物にのりうつって帰って来るという話。
だからお盆中は絶対に生き物を殺してはならない、と。
さらに、乗り移る生き物の種類はそれぞれ決まっていて、家の祖先は蛾だ、と。
昔は大きな蛾がよく網戸に止まっていましたが、最近は森も無くなり、来なくなりました。

よくわからない風習がもう一つ。
家ごとに、育ててはならない、敷地に持って入ることも許されない植物が決められていました。
お互いの家で、何の植物が駄目なのかは周知されていて、うっかり持ち込まないよう気を使っていました。
不思議な風習です。
今でもその決まりは守っています。

こういう話を私は受け継いだのですが、私から子供には継がれなさそうです。うちの子の個性の問題かもしれませんが、こういう話をこれはこれでそのまま、ふうん……。 と受け止める土壌が、心の中にないのです。
お話というものに対して、面白可笑しく消費し、文句をつけるだけの態度しかとれない。

寂しいものです。