カチカチ山のはなし 真実はいつも一つ

カチカチ山の話です。

こんな話。
おじいさんとおばあさんが仲良く暮らしていた。おじいさんが畑仕事をしていると、いたずらたぬきがやってきて、せっせと働くおじいさんをからかって邪魔をした。腹を立てたおじいさんは、タヌキを捕まえる。しばりあげ、家に連れて帰った。おじいさんはおばあさんにタヌキ汁を作るように言って、でかけてしまった。タヌキはおばあさんに命乞いをし、かわいそうに思って逃がしてくれようとしたおばあさんを殺して汁にした。おばあさんに化けると、帰ってきたおじいさんにその汁を食わせた。おじいさんが、うまいうまいと喜んですっかり汁を食べてしまうと、正体を現し、それは婆汁だ、貴様はババアを食ったのだ、と嗤って逃げた。
おじいさんがあまりのことに泣いていると、うさぎがやってきて慰めた。事情を聞いたうさぎは、タヌキを殺してお婆さんの仇を打つことを約束する。
うさぎは、タヌキをさそって芝刈りをする。タヌキの背負った芝に火をつけ、背中に火傷を負わせる。
次に、背中の火傷に、薬と称してとうがらしを塗り、苦しめる。
最後にうさぎは、タヌキを漁と騙して沼に誘い、泥舟に乗せ、沈めてしまった。
こうしてウサギはお婆さんの仇をうち、その後も時折おじいさんの家を訪ねた。

さてさて、ここからしょうがない考え事をはじめます。

とりあえず事実関係に着目します。
おばあさんは、何者かに殺されました。
そして、バラバラに解体されていました。
その現場に、おじいさんとうさぎがいました。
私は、おじいさんとうさぎを非常に疑わしいと思っています。ひょっとするとうさぎは、おじいさんの浮気相手だったかもしれません。
何の証拠もありませんが。

もしもこの現場、ないしは事後であっても血塗れの後を村人に見られたとしたら、おじいさんとウサギはどうするでしょうか。
自分が疑われないための嘘をつくはずです。
先ず、自分たちは殺害時現場にはいなかったことにするでしょう。
誰か別の犯人に罪をなすりつけます。
それが本当らしく聞こえるように、相手を非道な人物にしたてあげたり、トラブルがあったように装うでしょう。
自分たちの夫婦仲も良かったように言うでしょう。
現場にいたうさぎが疑われないよう、善意の人だと装うでしょう。
運び出しやすいようにバラバラにした遺体も、タヌキが婆汁を作ってこうなったと、それらしく説明したのではないか。

そうして仕立てた言い訳が、例のカチカチ山の話だった。

そんな風にも考えられるかもしれない。
私はそうも思います。



ナンテ
(*ノω・*)テヘ