蟻、カタツムリ、カラス
楽しそうなお題ですね。
皆さんのなりたいものも楽しい!
私は蟻になりたい。
小さなありになって、仲間と一緒に行列に並んで、一生懸命働く。
あんな小さな目からは、この世はどんな風に見えるんだろう。
大木の生い茂る草むら。
そこから見える空。
突然襲い掛かる子供たちの足。
一粒ずつ土塊を掘り出して作った大きな巣穴。
入っていくと、真っ暗な穴の中はどんな風に見えるんだろう。
夏はひんやりと涼しくて、冬はほんのりと温かい巣穴。
仲間の気配に満ちていて、土と、食べ物の匂いがするんだろうか。
誰も、寂しいと、感じることはきっとない。
そんな暇もきっとない。
興味深いけれども、雨の日だったら蟻はやめておく。
おぼれてしまうのは困る。
そんなときはカタツムリになって、葉っぱのうらにはりついて、
逆さに見える世の中を眺めることにする。
葉先からしたたる雨粒が、どんなに大きく見えるのか。
雨粒ごしに見る向こう側の景色は、ぐにゃりと歪んで見えるのかもしれない。
それが真冬のことならば、みんな冬眠してしまうので、カラスにしておく。
わがもの顔で飛び回る町の空。
小学生に戻ったような気持ちになれそう。
仲間とかぁかぁと鳴きかわして、一日中、空を、地べたを、屋根の上を、枝の間を遊び倒す。
ごちそうを見つければ、かぁかぁと仲間を呼び集める。
おいしいものと、面白いものを探しつづける。
楽しい一日を満喫したら、夕暮れの赤い空を仲間と一緒にねぐらに帰る。
そんな感じに楽しみたい。