カラスのやさしい鳴き声


最近、カラスがやたら優しげな声で鳴いています。
今は、子供が巣立つ時期らしいです。
一緒にえさを探しに来て、子供に向かって、呼びかけている声なんでしょうね。

「ホゲェ、フガァ」

と、馬鹿ばかしいくらいやさしい声で鳴いています。
そんなに子供がかわいいのかい、と、笑ってしまいます。

ごみを散らかされれば頭にくるし、
襲いかかられれば恐怖も感じますが、
こういう様子には、親しみを感じます。

いつだったか、親ガラスと子ガラスなんでしょうね。
行水の仕方を教えているらしい様子を見たことがあります。
1羽が、じゃぼっと水につかり、羽をふるわせ水から飛び出て、
「さあ、やってごらん」
とでも言うようにくちばしをふるっていました。
もう1羽は、水につかるのを怖がっている様子。
教えている方は、何度も何度も熱心に水につかっては飛び出て、くちばしをふるって、と繰り返していました。
「簡単だから、やってごらん。ほら、こうだよ」
と聞こえてくるようでした。


そういえば、強風の日。
カラスたちが、すごく楽しそうに風乗りしているのを見たことがあります。
ハトたちは、風にさらわれると困ったように風の来ないベランダに避難して、もう飛び立たないのに、
カラスは何度も、ベランダから飛び降りては風にさらわれる、ということを繰り返していました。

「ヒャッホー!」

って声が聞こえてきそうなくらい、楽しそうでした。
何回やりにくるんだろ、とあきれたものです。


子供の幼稚園では、豆まきの日、園庭で豆をばらまいたものでした。
すると次の日から、毎日毎日ハトやカラスがたくさん園庭で豆をついばみにやってきます。
ハトは豆がすっかりなくなってしまっても、毎日毎日やってくるのですが、
カラスは、あっと言う間に来なくなりましたっけ。
「ここにはもう、豆はない」
という判断が、早いのです。

カラスが頭がいいって、本当なんだなと、思った出来事でした。

今の季節は、やはり、子カラスに呼びかける優しげな泣き声がお楽しみポイントだと思います。
カラスの家族がいたら、ぜひ、聞いてみてください。